矯正歯科では虫歯を教えてくれないって本当?治療中の虫歯予防方法を解説

「矯正歯科では虫歯を教えてくれないって本当?」「矯正治療中に虫歯になったらどうするの?」などのお悩みを抱えている方もいるでしょう。

矯正歯科で虫歯を教えてくれないといわれているのには、いくつかの理由があります。

この記事では、上記の理由と矯正治療中に虫歯ができたときの対処について解説します。

矯正治療中の虫歯予防方法と虫歯になりにくい矯正方法もまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

矯正歯科では虫歯を教えてくれないといわれる理由

矯正歯科では虫歯を教えてくれないといわれる理由

矯正歯科では虫歯を教えてくれないといわれる理由は4つ挙げられます。

  • 矯正治療前に虫歯治療をすることが多いため
  • 他のクリニック任せにしているため
  • クリーニングをしないため
  • 見つけにくい虫歯だったため

ここでは上記4つの理由についてそれぞれ解説します。

矯正治療前に虫歯治療をすることが多いため

矯正治療前には精密検査が行われ、虫歯や歯周病が見つかったら先に治療を行うのが一般的です。

虫歯は進行性の病気であり、放置しても自然治癒することはありません。

初期虫歯であればそのまま矯正治療を始める場合もありますが、基本的には虫歯治療を行ってから矯正治療を始めるという流れが多いです。

虫歯だらけの状態で矯正治療を行うと、虫歯の進行により噛み合わせが乱れたり最悪の場合歯を失ったりする恐れがあります。

他のクリニック任せにしているため

矯正歯科は矯正治療を専門的に行うところであるため、虫歯や歯周病などの治療は他のクリニック任せにしている場合があります。

また一般歯科ほど丁寧に虫歯をチェックしないため、もし虫歯があったとしても見落としてしまっていることがあるのです。

矯正治療中に虫歯ができるのが心配な場合は、毎回診察の際に、虫歯があったか確認すると良いでしょう。

クリーニングをしないため

矯正歯科の中には、クリーニングを行わないところもあるようです。

クリーニングは歯の表面や歯間に付着したプラークや歯石を取り除き、虫歯の予防や早期発見に役立ちますが、これは一般歯科で行われることが多い処置です。

クリーニングを行わないと汚れで虫歯が見つけにくくなるため、歯科医が虫歯を見逃す可能性が高くなり、「矯正歯科では虫歯を教えてくれない」と感じることがあるのです。

見つけにくい虫歯だったため

矯正治療中は歯にブラケットやワイヤーなどの装置が装着されているため、虫歯が見つけにくくなることがあります。

見つけにくい虫歯とは、具体的には以下のようなものです。

  • 詰め物や被せ物の下にできた虫歯
  • 歯と歯の間にできた虫歯

特に装置の下や歯と歯の間に発生した虫歯は、視覚的に確認しにくくなります。

このような見つけにくい虫歯はレントゲン検査やマイクロスコープ、歯科用CTで確認しないと、発見されないまま進行してしまうリスクがあります。

矯正治療中に虫歯ができたときの対処

矯正治療中に虫歯ができたときの対処

矯正治療中に虫歯ができたときの対処の仕方は、虫歯の進行状態によって異なります。

初期の虫歯

初期の虫歯の場合は、経過観察をしながら矯正治療を続けるケースが多いです。

矯正に影響が出ない場合は、矯正治療と並行して虫歯治療をすることもあります。

初期虫歯が見つかった場合の対処は、歯科医師や歯科衛生士と十分に相談して検討することが大切です。

進行した虫歯

ある程度進行した虫歯が見つかった場合は、一旦矯正治療を中断して虫歯治療を行うケースが多いです。

大きな虫歯を放置して矯正治療を続行すると、虫歯の進行による痛みが出てくるだけでなく、矯正がスムーズに進まなかったり歯を喪失したりする恐れがあります。

大きな虫歯や歯の神経にまで達している場合は根管治療や抜歯が必要となることがあり、治療の妨げとなり得る矯正装置を取り外す必要があります。

虫歯治療が完了した後は再度矯正を再開できますが、最初の治療計画よりも遅延が発生するため、治療計画の修正を行わなくてはいけません。

またマウスピース矯正中に虫歯治療によって噛み合わせが変化した場合、新たにマウスピースを作り直さなくてはいけない場合もあります。

矯正治療中の虫歯予防方法

矯正治療中の虫歯予防方法

矯正治療中の虫歯予防方法は以下の通りです。

  • 正しい歯磨きの仕方を身につける
  • 定期的に専門的な口腔ケアを受ける
  • 矯正装置を清潔な状態に保つ
  • 虫歯になりにくい食生活を心がける
  • 歯のケアグッズを積極的に使う

ここでは上記5つの予防方法についてそれぞれ解説します。

正しい歯磨きの仕方を身につける

矯正治療中は歯の表面や装置に食べかすやプラークが溜まりやすいため、正しい歯磨きの方法を身につけることが大切です。

矯正治療中の歯磨きのコツは以下の通りです。

  • 歯面に対し斜め45度に歯ブラシを当てる
  • 小刻みに動かして1本ずつ丁寧に磨く
  • ワイヤー下は歯ブラシを縦に向けて磨く
  • 歯と歯茎の間もしっかり磨く

矯正装置が付いていることで歯磨きが難しくなるため、矯正中の専用ブラシやワンタフトブラシを使用することで、装置の隙間や歯と歯の間もしっかりと磨くことができます。

歯磨きの際は装置に汚れが残らないよう、丁寧に磨きましょう。

歯磨きの習慣を見直すことで、虫歯のリスクを大幅に減らすことができます。

定期的に専門的な口腔ケアを受ける

矯正治療中は虫歯のリスクが高まるため、定期的に専門的な口腔ケアを受けるのがおすすめです。

歯科クリーニングでは、歯科衛生士が歯の表面や装置の周りに付着したプラークや歯石を徹底的に取り除きます。

これにより、矯正装置によって磨き残しが生じやすい部分も清潔に保つことができるでしょう。

また歯科クリーニングでは歯のフッ素塗布やシーラントなど、虫歯予防に効果的な処置が行われることが多く、これにより虫歯のリスクをさらに低減できます。

矯正治療中は定期的に歯科医院を訪れ専門的な口腔ケアを受けることで、口内を清潔に保てるのはもちろん、万が一虫歯が発生した場合も早期発見・早期治療できます。

矯正装置を清潔な状態に保つ

矯正治療中の虫歯を予防するためには、矯正装置を清潔に保つことが重要です。

装置に食べかすやプラークが付着するとそれが虫歯の原因となるため、専用の歯ブラシや洗浄剤を使用して装置をこまめに清掃する必要があります。

特に取り外し可能なマウスピース型の矯正装置を使用している場合、毎日きちんと洗浄する必要があります。

装置の汚れが蓄積すると細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯肉炎のリスクが高まるため注意しましょう。

またワイヤー矯正などの固定式の矯正装置の場合は、ワンタフトブラシや歯間ブラシを使用して、装置の周りを丁寧に磨くことが重要です。

虫歯になりにくい食生活を心がける

矯正治療中は、虫歯になりにくい食生活を心がけましょう。

特に砂糖を多く含む食品や飲料は虫歯の原因となるプラークの形成を促進するため、なるべく控えることをおすすめします。

間食を避けて規則正しい食生活を心がけることで、口内環境を安定させ、虫歯リスクを減らすことができます。

また硬い食品や粘着性のある食べ物は矯正装置に付着しやすく、虫歯の原因となるため、避けるのが賢明です。

歯のケアグッズを積極的に使う

矯正治療中は虫歯予防のために歯のケアグッズを積極的に活用しましょう。

一般的な歯ブラシだけでは届かない部分をしっかりと清掃するために、ワンタフトブラシや歯間ブラシを使用するのがおすすめです。

またフロスやデンタルリンスの使用も、虫歯や歯周病の予防に効果的です。

フッ素配合の歯磨き粉やマウスウォッシュは、歯のエナメル質を強化し虫歯の進行を防ぐ効果があるため、日々のケアに取り入れると良いでしょう。

歯のケアグッズを使うことで、矯正中のデリケートな口腔内を清潔に保ち、虫歯の発生を効果的に予防できます。

虫歯になりにくい矯正方法を選ぶのもおすすめ

虫歯になりにくい矯正方法を選ぶのもおすすめ

矯正治療中の虫歯になるリスクを抑えるためには、解説した予防方法に加え、虫歯になりにくい矯正方法を選ぶのもおすすめです。

矯正治療には様々な矯正方法がありますが、その中でもマウスピース矯正は虫歯のリスクが低いとされています。

ここではマウスピース矯正のメリットやデメリットについて解説しましょう。

マウスピース矯正は虫歯のリスクが低い

マウスピース矯正は虫歯のリスクが低い矯正方法です。

ワイヤー矯正は装置が取り外せないため歯磨きがしづらく、装置の周りに汚れが溜まりやすくなりますが、マウスピースは装置を自由に取り外せるため、矯正前と同様に歯磨きができます。

さらに万が一虫歯になった場合も、マウスピース矯正なら装置を簡単に外して治療を行えます。

ただマウスピースを長時間装着していると口内が乾燥しやすくなったり唾液が歯に届きにくくなったりするため、こまめに水分補給をしたり歯磨きをいつもより丁寧にしたりするなどのケアが必要です。

マウスピース矯正のメリット

マウスピース矯正のメリットとして、以下のようなものが挙げられます。

  • 矯正装置が目立ちにくい
  • 取り外し可能でケアしやすい
  • 治療中のトラブルが少ない
  • 異物感や痛みが少ない
  • 治療期間や治療後のイメージを事前に確認できる
  • 日常生活への制限が少ない
  • 金属アレルギーの心配がない

マウスピース矯正の大きなメリットは、食事や歯磨きの際に簡単に取り外せることです。

これにより食べ物が矯正装置に引っかかる心配がなく、通常の歯磨きやフロスが容易に行えるため、口腔内を清潔に保つことができます。

またマウスピースは取り外して洗浄できることも特徴です。

取り外しできないワイヤーやブラケットのように、装置そのものがプラークや食べかすを溜め込むことがないため、虫歯が発生するリスクを大幅に減少できます。

透明で目立ちにくい見た目も社会生活において大きなメリットとなり、多くの人々に選ばれる理由の一つです。

マウスピース矯正のデメリット

マウスピース矯正のデメリットとして、以下のようなものが挙げられます。

  • 1日20時間以上装着する必要がある
  • 適応症例が限られる
  • 医師によって治療の質に差がある

マウスピース矯正は毎日20時間以上の装着が必要で、食事や歯磨き以外の時間には必ず装着する必要があります。

このルールを守らないと治療効果が減少し、治療期間が延びる可能性があります。

また取り外しが可能であるため、装着を忘れてしまうリスクも考えられるでしょう。

さらにマウスピースは1〜2週間ごとに新しいものに交換する必要があり、その管理が煩雑に感じる人もいるかもしれません。

そしてマウスピース矯正は適応症例が限られるため、歯並びや噛み合わせによってはマウスピース矯正が適さない場合もあります。

まとめ

矯正歯科で虫歯を教えてくれない理由として、矯正治療前に虫歯治療をすることが多いこと、他のクリニック任せにしていること、見つけにくい虫歯だった可能性などが挙げられます。

基本的に虫歯治療を行ってから矯正治療を行うことが多いですが、万が一矯正治療中に虫歯が見つかった場合は、虫歯の進行状態によって対処が異なります。

初期の虫歯であれば経過観察をしながら治療を続けることが多く、進行した虫歯の場合は一度矯正治療を中断して虫歯治療を行うことが多いです。

矯正治療中の虫歯が不安な方は、虫歯のリスクが低いマウスピース矯正を検討してみると良いでしょう。

堂島デンタルクリニックでは、マウスピース矯正による矯正治療を行っています。

当院で扱っているマウスピース『クリアコレクト』は違和感が少なく目立ちにくい特徴があるため、マウスピース矯正を検討している方はぜひ気軽にご相談ください。

堂島デンタルクリニック