ホワイトニングで歯がもろくなる?効果が出にくい人の特徴や注意点を解説

「ホワイトニングをすると歯がもろくなる」と聞いて不安に思っている方もいるでしょう。

このようにいわれるのは、薬剤による一時的な知覚過敏や歯茎への刺激などが原因です。

この記事では、ホワイトニングをすると歯がもろくなるといわれる理由について詳しく解説します。

ホワイトニングをしない方がいい人や効果を感じにくい人の特徴などもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

ホワイトニングをすると歯がもろくなるといわれる理由

ホワイトニングをすると歯がもろくなるといわれる理由

ホワイトニングをすると歯がもろくなるといわれる理由は主に3つ挙げられます。

  • 知覚過敏の症状が出やすくなるため
  • 薬剤が歯茎に刺激を与えることがあるため
  • 薬剤の成分に負のイメージがあるため

ここでは上記3つの理由についてそれぞれ解説します。

知覚過敏の症状が出やすくなるため

ホワイトニングに使われる薬剤の影響によって、一時的に知覚過敏の症状が出やすくなります。

この薬剤は歯の表面の汚れや色素を取り除く作用を持ちますが、歯を外部の刺激から守る役割を持つ『ペリクル』が一時的にはがれることにより、刺激を受けやすくなるのです。

その結果、冷たいものや熱いもの、甘いものなどが歯に触れたときに痛みを感じるようになります。

ペリクルは12時間から48時間ほどで再生されるため、このような知覚過敏の症状は一時的なものであることが多いです。

薬剤が歯茎に刺激を与えることがあるため

ホワイトニングの薬剤が歯茎に触れることで、痛みを感じることがあります。

ホワイトニングにはクリニックで行う『オフィスホワイトニング』と、自宅で患者さん自身で行う『ホームホワイトニング』がありますが、歯茎に刺激を与える可能性があるのはホームホワイトニングの場合です。

オフィスホワイトニングではホワイトニングを行う前に歯茎を保護するため、基本的に歯茎に刺激を与える心配はありません。

ホームホワイトニングは、薬剤の量が多すぎると歯茎に漏れて痛みを感じることがあるため、適切な量を使用するよう徹底することが大切です。

薬剤の成分に負のイメージがあるため

ホワイトニングに使用される薬剤の成分に負のイメージがあるため、「歯がもろくなる」といわれることがあります。

ホワイトニングに使用される薬剤に含まれる成分は以下の通りです。

  • 過酸化水素
  • 過酸化尿素
  • 酸化チタン
  • 窒素

高濃度な過酸化水素は肌に接触すると炎症を引き起こすことがあるため、そのような印象が強い人から「ホワイトニングは危険」というイメージを持たれることがあるのでしょう。

しかしホワイトニングで使用される薬剤は医師によって適切な濃度で施術・処方されるため、歯にダメージを与える心配はありません。

ホワイトニングをしない方がいい人

ホワイトニングをしない方がいい人

以下に当てはまる人はホワイトニングをしないほうが良いでしょう。

  • 光線過敏症の人
  • 無カタラーゼ症の人
  • 虫歯や歯周病がある人
  • 知覚過敏がある人
  • 歯にひびが入っている人
  • 18歳未満の人
  • 妊娠中や授乳中の人

ここでは上記についてそれぞれ解説します。

光線過敏症の人

クリニックで行うオフィスホワイトニングでは、歯に薬剤を塗布したあとに光を照射するため、光線過敏症の人は受けられません。

光線過敏症は日光やブルーライトなどの光に当たることで皮膚のかゆみや赤み、発疹などの症状が現れる病気で、日光アレルギーとも呼ばれます。

光線過敏症の人は、光を照射せずに歯を白くできるホームホワイトニングを検討してみると良いでしょう。

無カタラーゼ症の人

無カタラーゼ症の人はホワイトニングを受けられません。

無カタラーゼ症は体内でカタラーゼが作られない先天性疾患で、カタラーゼは過酸化水素を分解する役割を持っています。

ホワイトニングに使用される薬剤には過酸化水素が含まれていますが、無カタラーゼ症の人が誤って薬剤を飲み込んでしまうと、過酸化水素が分解されず体内に残ってしまう恐れがあるのです。

体内に残った過酸化水素は、進行性口腔壊死など体内に悪影響を及ぼす可能性があります。

虫歯や歯周病がある人

虫歯や歯周病がある場合、ホワイトニングの薬剤によって痛みや炎症が起きる恐れがあります。

そのため虫歯や歯周病が見つかったら、ホワイトニングよりも先に治療を優先するのが一般的です。

ホワイトニングを優先させるとさらなる口内トラブルを誘発するだけでなく、虫歯が進行してしまうリスクがあります。

ホワイトニングを受ける際は、必ず虫歯や歯周病がないか確認しましょう。

知覚過敏がある人

知覚過敏がある人がホワイトニングを受けると、歯がしみたり痛みを感じやすくなったりする恐れがあります。

歯がしみないように保護剤を塗布する場合もありますが、色ムラが発生する可能性があるため、審美性を重視するなら控えたほうが良いでしょう。

知覚過敏がある人がホワイトニングを受ける場合には、先に知覚過敏の治療を行うか、濃度の低い薬剤を使ってホームホワイトニングを行うのがおすすめです。

歯にひびが入っている人

歯にひびが入っていると、ホワイトニングの薬剤によって痛みを感じやすくなります。

先にひびを治療してから、ホワイトニングを受けるのが望ましいでしょう。

18歳未満の人

18歳未満の人は歯がまだ成長段階にあるため、ホワイトニングを受けることは推奨されません。

ホワイトニングにより歯がダメージを受け、成長に悪影響を及ぼす恐れがあるためです。

施術時間の短いホワイトニングであれば18歳未満も対応している場合があるため、どうしてもホワイトニングを受けたい場合は医師と相談のうえで検討してみてください。

妊娠中や授乳中の人

妊娠中や授乳中の人はホワイトニングを受けることが推奨されていません。

ホワイトニングの薬剤の成分が胎児に影響を及ぼす可能性があるためです。

胎児へのリスクも踏まえ、妊娠中や授乳中はホワイトニングは控えたほうが良いでしょう。

ホワイトニングの効果を感じにくい人

ホワイトニングの効果を感じにくい人

ホワイトニングの効果を感じにくい人の特徴として、以下が挙げられます。

  • 治療歯が多い人
  • 抗生物質により着色した歯がある人
  • 神経を抜いた歯がある人
  • すでにある程度歯が白い人

ここでは上記4つについてそれぞれ解説します。

治療歯が多い人

被せ物や詰め物、人工歯などの治療歯が多い場合、ホワイトニングの効果を感じにくい可能性があります。

ホワイトニングは天然歯にのみ効果がある治療であるため、治療歯が多いと白くならない部分が出てきてしまいます。

治療歯が多い人がホワイトニングを受ける場合は、被せ物をする前にホワイトニングをしたり、ホワイトニング後に審美性の高い被せ物や詰め物をする方法がおすすめです。

医師と相談のうえで治療方針を検討してみてください。

抗生物質により着色した歯がある人

抗生物質によって褐色~灰色に変色した歯がある場合、ホワイトニングの効果を感じにくい可能性があります。

色の種類や色の濃さ、色の場所によってはホワイトニングで白くならない場合があり、白くなった後も色戻りするリスクが高いです。

白さを維持するためには、定期的にホワイトニングを行う必要があります。

神経を抜いた歯がある人

神経を抜いた歯はホワイトニングの効果が現れにくい特徴があります。

神経のない歯は血液が循環せず、内側にある象牙質が徐々に黒く変色していきます。

そして表面のエナメル質が薄くなることで歯自体が黒く見えるようになり、一般的なホワイトニングでは白くするのは難しくなるのです。

この場合は歯の内側にホワイト剤を入れて白くする『ウォーキングブリーチ』を行うのが一般的です。

すでにある程度歯が白い人

すでにある程度歯が白い場合、それ以上白くなりにくい場合があります。

ホワイトニングを続けていると歯の白さに目が慣れてしまい、あまり白くないと感じてしまうことがあります。

歯科医院では歯の色を測定することができるため、測定値を参考に治療計画を立てるのがおすすめです。

ホワイトニングを受けるときのポイントや注意点

ホワイトニングを受けるときのポイントや注意点

ホワイトニングを受けるときに覚えておきたいポイントや注意点は以下の通りです。

  • 不安なことはカウンセリングで解消しておく
  • 施術後の注意事項をきちんと守る
  • メンテナンスを徹底して色戻りを防ぐ
  • 定期検診を受ける
  • 自己流のホワイトニングはリスクがあるため避ける

ここでは上記5つのポイントについてそれぞれ解説します。

不安なことはカウンセリングで解消しておく

ホワイトニングについて不安なことがある場合は、カウンセリングで解消しておくことが大切です。

以下のような質問項目をあらかじめ決めておくと良いでしょう。

  • どれくらいの白さになるのか
  • 効果の持続期間
  • 効果が現れるまでの期間
  • 痛みやしみることはあるか
  • ホワイトニングの種類
  • ホワイトニングの費用

カウンセリングで気になることをきちんと聞いておくことで、後で「思っていたのと違った」といった後悔やトラブルにつながることを防ぐことができます。

施術後の注意事項をきちんと守る

ホワイトニングを受ける際は、施術後の注意事項をきちんと守ることが大切です。

具体的には以下のようなものが挙げられます。

  • ペリクルが再形成されるまでの約12~24時間は飲食に注意が必要
  • 酸性や着色しやすい飲食物は控える

特に炭酸飲料やスポーツドリンク、柑橘系の食品などの酸性の食品は歯への刺激が強いため十分注意しましょう。

上記の他、歯科医から注意事項がある場合はそれをきちんと守るようにしましょう。

メンテナンスを徹底して色戻りを防ぐ

ホワイトニングで白くなった歯は適切なケアを行わないと色戻りが起こることがあるため、メンテナンスを徹底することが大切です。

飲食後は色移りを防ぐためにすぐに歯磨き・うがいをする、着色しやすい飲食物は避ける、定期的にクリニックでクリーニングを受けるなどを心がけましょう。

定期検診を受ける

ホワイトニングの効果を持続させるためには、定期検診を受けることが大切です。

定期検診を受けることで、自宅では取り除けない歯垢や歯石、着色汚れを取り除けるだけでなく、虫歯や歯周病の有無を確認できます。

歯の白さが失われてきたと感じたら、再施術の時期も相談してみると良いでしょう。

自己流のホワイトニングはリスクがあるため避ける

インターネット上には自己流のホワイトニング方法が紹介されている記事などがあります。

具体的にはアルミホイルと重曹を使った方法や果物の皮を使った方法などがありますが、これらの方法は歯を傷つけたり虫歯のリスクを高めたりするため危険です。

海外の薬剤を個人輸入してホワイトニングする方もいますが、輸入品はどんな薬剤が配合されているのか不明な場合があり、人体に悪影響を及ぼす恐れもあります。

自宅でホワイトニングを行いたい場合は、クリニックで薬剤を処方してもらう『ホームホワイトニング』を選びましょう。

ホームホワイトニングなら適切な濃度の薬剤を使用するため、自己流ホワイトニングのようなリスクがありません。

また万が一トラブルが起きた場合も、受診先のクリニックにすぐに相談できるため安心です。

まとめ

「ホワイトニングをすると歯がもろくなる」といわれることがありますが、一時的に知覚過敏の症状が出ること、薬剤が歯茎に刺激を与える場合があること、薬剤の成分に負のイメージがあることなどが原因です。

知覚過敏の症状は24~48時間程度で改善されることが多いため、そこまで過度に心配する必要はありません。

ホワイトニングを受ける際は事前に効果やリスクについて理解し、不安点や疑問点があればカウンセリングで解消しましょう。

堂島デンタルクリニックでは、自宅で行う『ホームホワイトニング』とクリニックで行う『オフィスホワイトニング』のどちらにも対応しています。

希望に近い色にするために丁寧にカウンセリングを行うため、初めてのホワイトニングで不安な方も気軽に当院までご相談ください。

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